こんにちは!
中西紀説(なかにしのりつぐ)と申します。どうぞ「のんちゃん」と呼んで下さい!
私は山梨県南アルプス市で不登校児の居場所として体験型フリースクール「みんなのおうち」を運営しています。
私自身、中学生の時に不登校を経験しました。その時に負った劣等感・無能感・自己否定感がトラウマとなって40歳まで苦しみ続けました。一時は引きこもりとなり、自殺未遂を図ったこともあります。父親となってからは我が子も不登校となりました。フリースクールを始めてからは沢山の子ども達と関わってきました。
そんな人生を通して得た大切な気付きや想いを綴るブログです。
体験型フリースクール「みんなのおうち」とはどのような場所なのか?何を理念とし、その目的は何なのか?子ども達にはどのように育ってほしいのか?開所してからの約2年半、常に考え続け、適宜ブラッシュアップしてきました。そして先日、実に5回目となる改定を加えましたのでここに綴りたいと思います。
前文
子ども達には幸せな人生を生きてほしい。
それでは幸せな人生とは何だろうか?「自分は自分のままでいい」という自己肯定感(自己受容)に基づき、自己決定出来る人生(真に自立した人生)ではないだろうか。
学歴や肩書き、世間体などに囚われることなく、他者と比べることもなく、自分の人生は自分で決められるようになってほしい。そして、真に自立した人生を生きてほしい。そのために必要なのは、知識ではなく、生きる力なのだ。
だから私達は子ども達の個性を尊重し、教えず・導かず・変えようともしない。一切管理しない。大人目線での「良い活動」を強制しない。彼らを「良い子」にしようとしない。子ども達が安心して過ごせる居場所であり続けることが、彼らの中に眠っている能力を引き出すのだ。これこそが真の英才教育であると信じている。
「みんなのおうち」の理念
『答えはその子の中にある』
何が好きで、何を学び、どんな道へ進んで、どんな人生を歩むのか。それらは全て子ども自身が決めることであり、親の意思や一般常識、世間体などに囚われるものではない。よって、私達は子どもが持つ個性を尊重し、その個性を活き活きと発揮出来る環境を整えるべく努めていく。
この理念は創業当初から不変です。
「みんなのおうち」の目的
子ども達の『幸せな人生(真に自立した人生)』に寄与すること
そのために必要なのは、知識や学力ではなく、生きる力である。ここで言う「生きる力」とは、自己実現に向かう力のことであり、非認知能力とも言い換えられる。特に、自己肯定感の育成に注力する。
非認知能力とは?
自己肯定感・意欲・行動力・協調性・創造力・コミュニケーション能力など、
数値化されにくい能力。
人生を豊かにする上でとても大切な能力だと言われている。
非認知能力とは?
「みんなのおうち」はどういう場所なのか?
・子ども達が安心して過ごせる居場所である。あるがままの自分を出せる場所である。
・大人が知識や枠を「与える」教育(教え)ではなく、子どもの主体性を「引き出す」教育(学び)の場である。よって、教科学習に囚われない生活を通した学びを重視する。
・先生対生徒ではなく、大人対子どもでもない。人間対人間として対等な関係の中で、大人も子どもも共に成長していく『共育』の場である。
・子ども達、保護者、スタッフなど関わるみんなが一体となって創り上げる場である。
・子ども達が主体の場である。「やりたい!」という気持ちを尊重すると同時に「やりたくない」という意思も尊重する。
・子ども達の心が育つ場である。
「みんなのおうち」のキャッチフレーズ
『自由の中に学びがある!』
『教えない・導かない・変えようとしない』
私達の想いを短い言葉で表現しました。私達は信念を持って自由な環境を整えています。しかし、子ども達を放置はしません。「自由(放任)」と「放置」は似て非なるもの。その大きな違いは信頼関係の有無です。私達は子ども達との信頼関係を大事にした上で、自由を謳っているのです。
「みんなのおうち」の教育方針
『人間性教育』
『人間性教育』とは、大人が知識や枠を「与える」教育(教え)ではなく、子どもの主体性を「引き出す」教育(学び)である。よって、主体は子ども達にある。彼らの意思を尊重し、自由を奪わないこと。徹底的に遊び尽くして満足した子ほど意欲が高まるものだから。また、安心して失敗できる環境、子ども達が「フロー体験」できる環境を整えたい。子ども達が自分の感情をオープンに表現出来る環境を整えることも教育の一環である。
フロー体験とは?
夢中になって、我を忘れて何かに取り組んでいる状態。
フローに入るためには完全に自由でなければならない。内発的動機が必要である。
「みんなのおうち」スタッフの行動指針
一.子どもを無条件で受容する。あなたはあなたのままでいいという姿勢。
二.子どもの意思を尊重する。何にもしないことを保障する。
三.子どもの言うことを否定しない。まずは肯定的に受け取る。
四.子どもの話を聴く。傾聴する。
五.子どもに共感する。共に楽しむ。
六.子どもに強制しない。枠に閉じ込めない。管理しようとしない。大人の良かれは子どもの迷惑。
七.子どもを信じて待つ。その子の「今だ!」はきっとくる。
八.子ども扱いしない。人間対人間として対等な立場で接する。
九.子どもから学び、子どもと共に成長する。(共育)
十.子どもは自由な存在である。自由の中にこそ学びがある。
「みんなのおうち」が目指す世界
「共育」の場である『楽校(がっこう)』を創ること。
フリースクール・プレーパーク・コミュニティスペースが複合した施設で、年齢に関係なく誰でも無償で通うことの出来る新たな概念の学校である。多様な人達と出会える場所。誰でも安心して過ごせる居場所。行きたい時だけ行ける学校。緩やかな温かい繋がりの中で心が育ち、生きる力を養える場所。関わる全ての人が共に学び、共に成長出来る場所。子ども達が学びの場を選べる環境を整えることが真の不登校対策である。これから共感者を募り、この『楽校』をみんなで創っていきたい。子ども達の幸せな人生と、不登校という言葉のない社会の実現に向けて。
今回の改定を受けて、先日、スタッフミーティングを開催。内容をしっかり確認し合いました。その上で、子ども達にも見てもらい、意見を聞きました。保護者の方にもシェアするつもりです。こうして適宜、改定を加えながらより良い「みんなのおうち」にしていきたいと思っています。そしてそこに完成はないのでしょう。決して到達することのない理想を目指して、子ども達・保護者・スタッフなど関わるみんなが一体となってブラッシュアップを続けていく。それこそが私達の目指す『共育』なのですから。
本日も最後までお読み頂き有難うございました。
もし、お子さんの不登校などでお悩みでしたら「お問い合わせ」の欄からご連絡下さい。
私でよろしければ真摯に対応させて頂きます。
体験型フリースクール「みんなのおうち」
代表 中西紀説