こんにちは!
中西紀説(なかにしのりつぐ)と申します。どうぞ「のんちゃん」と呼んで下さい!
私は山梨県南アルプス市で不登校児の居場所として体験型フリースクール「みんなのおうち」を運営しています。
私自身、中学生の時に不登校を経験しました。父親となってからは我が子も不登校となりました。フリースクールを始めてからは沢山の子ども達と関わってきました。
そんな私の実体験からくる想いを綴っています。
子どもが「学校に行きたくない」と言い出した時、親としてはどのように対応すればいいのでしょうか?
今日はその対処法について考えてみたいと想います。
不登校は突然やって来る?
「今日は学校に行きたくない。。。」子どもがそう言い出した時、親からしてみればそれはあまりにも突然すぎて晴天の霹靂のように感じてしまい、右往左往してしまうものです。
しかし、突然やって来るように見えて実は子どもからシグナルが出ている場合が少なくありません。不登校の予兆とも言えるシグナルには以下のようなものがあります。
- 頭痛
- 腹痛
- 眠れない
- チック
- 食欲不振
- 朝起きれない
- 口数が減る
- 吃音
子どもに上記のような変化が見られた場合、何らかのストレスを抱えていることが考えられます。親からのプレッシャーを感じていたり、学校の先生から叱られることが多かったり、友達との関係がうまくいかなかったりと理由は様々でしょうが、この間に子どもは劣等感や自己否定感を募らせていき、それがある一定のところまで来てしまうと「学校に行きたくない」となるのでしょう。
子どもが「学校に行きたくない」と言い出した時は心が傷付き、ストレスや不安でどうしようもなくなっている状態です。
出来ることならそうなる前に子どもからのシグナルに気づいてあげたいですね。
対処法① 子どもに理由を問い詰めるのは逆効果
子どもが学校に行きたくないと言い出した時、親としては「何か原因があるはずだ!」「その原因さえ解消されれば学校に行けるはず!」と考え、原因究明に躍起になってしまうものです。実際に私もそうでした。
しかし、これは前回のブログにも書いたのですが子どもが学校に行きたくないと言い出した時に、本人にその理由を問いただすのはあまり意味がありません。
むしろ、それによって親子関係の悪化という逆効果にすらなりかねないのです。
前回のブログはこちら⇩
不登校の理由は一つではない場合が多く、更に本人も無自覚であることが少なくありません。「何故学校に行けないの?」「何でも話を聞くから言ってごらん」と聞いて
何も答えないのは無視しているのではなく、本人も分からないのです。言語化出来ないのです。
これは私自身も経験しました。中学3年のある日、突然すべてがイヤになりそこから学校に行けなくなったのですが、当時はそれが何故なのか自分でもよく分かりませんでした。その明確な理由が分かったのは30歳を過ぎてからだったのです。。。
ですから、学校に行けない、行きたくない理由を子どもに問い詰めるのはあまり意味はなく、むしろ逆効果にすらなると考えておいた方がいいでしょう。
対処法② 場合によっては医療機関の受診も必要
不登校の予兆とも言える子どもからのシグナルの中には、頭痛や腹痛など体調の異変も含まれています。学校を休んでも改善されない場合には、念のため医療機関の受診も検討した方が良いでしょう。
普段は何事もなく調子良さそうなのに学校がある日の朝になると、頭痛や腹痛を訴えてくる。そんな時は「仮病ではないか?」と思ってしまいがちですが、学校に対するストレスから突発的に頭痛や腹痛が生じることもありますし、朝調子が悪いのは起立性調節障がいかもしれません。
本人の特性を理解することにも繋がりますのでかかりつけの病院や最寄りのこころの発達クリニックなどにご相談されることをお勧めします。
対処法③ 子どもを責めるのはNG!
お腹が痛いと言って学校を休んだはずなのに、ゲームばかりして過ごしている。そんな我が子の姿を見ていると、「このままで良いのだろうか。。」「ただ甘えているだけではないのか。。」「わがままな子に育ってしまわないだろうか。。」と心配になるものです。私もそうでしたので、気持ちは痛いほど分かります。
しかし、
学校に行かないという選択をするのは子どもにとっても一大決心です。
それを口にするということは、もう我慢の限界に来ているということ。子どもからのSOSなのです。そう捉えて決して責めることなくそっと見守ってあげて下さい。
そもそも不登校は問題行動でもなければ悪いことでもありません。もちろん法律違反でもありません。
義務教育の「義務」とは保護者に課せられた義務であり、子どもが学校に行く義務ではありません。
保護者が子どもに教育を受けさせる義務を負っているという意味なのです。子どもは教育を受ける権利を有しています。どこで何を学ぶのか、その選択権は子どもにあるのです。
また、2017年2月には「教育機会確保法」という法律が施行されました。
この法律は、不登校の子ども達の教育の機会を十分に確保するため、休養の必要性や学校以外の場の重要性が認められています。「学校には行かねばならない!」「学校でしか学べない!」学校絶対主義とも言える根深い偏見を払拭し、子どもを中心に考えた教育環境を整えるよう私達大人が考え方を変えることも必要なのではないでしょうか。
対処法④ ズバリどうすればいいのか?
それでは子どもが学校に行きたくないと言い出した時、どのように対処すればいいのでしょうか。
ズバリ申し上げると、暫く休ませてあげるのがいいと想います。
敢えて期間は設定せず、まずは心と身体を休ませることが先決です。「じゃあ、しばらくお休みにしようか」この一言で、お子さんはどれだけ救われることでしょう。
前述の通り不登校の原因は一つではない場合が多く、長期間に亘って様々な要因が絡み合っているものです。たとえ不登校となるきっかけは些細なことであったとしても、それは氷山の一角に過ぎません。
不登校のきっかけと原因は別なのです。
本当の原因は目に見えない深いところにあります。
つまり、子どもが学校に行きたくないと言い出した時は、これまで長期間に亘って我慢や辛抱を続けて自分の感情を押し込めてきた結果、自分ではどうしようもなくなっている状態です。甘えや怠け、サボりなどではありません。
学校に行かなくてはならないことは分かっている。行けるものなら行きたい。でも、行けない。行きたくない。
子どもながらに葛藤を抱えた末の一大決心です。
これを口にするのにどれだけ勇気がいることか。
そんなお子さんに対して親として出来るまず最初のことはその気持ちに寄り添ってあげることではないでしょうか。
対処法⑤ キーパーソンはお父さん
不登校は家庭にとって一大事件。まさに平和な日々に激震が走る出来事と言えるでしょう。
ただし、不登校は決して不幸な出来事ではありません。それによって子どもが健やかに成長することもあるし、家族の絆が深まることだってある。現に私は我が子の不登校を通じて沢山の気付きを得ることが出来ましたし、父親として成長することも出来ました。
その意味で、不登校は幸運な出来事にも不幸な出来事にもなり得るのです。
そして、そのどちらに転ぶかの鍵を握るキーパーソン。
それはお父さんなのです。
お父さんが子どもの気持ちに寄り添い、子どもにとって何が幸せなのかを最優先に考えることが出来るならば、不登校は幸福な出来事へと転ずることでしょう。子どもは母親のことは愛情の対象として見ていて、父親のことは尊敬の対象として見ています。母親には気兼ねなく話せることも父親には何となく話しにくかったりするもの。一緒に過ごす時間の長さもあり、学校での様子などの聞き役も普段は母親であることが多いでしょう。子どもにとって父親は威厳のある大きな存在。お父さんは学校に行けない自分のことをどう思っているのか?お子さんは気にしていることでしょう。「お父さんには知られたくないな。。」「きっとお父さんは怒るだろうな。。」子どもにとってそんな存在である父親が子どもの気持ちに寄り添い、理解ある言葉をかけるならばお子さんはそれだけで救われます。
お子さんだけではありません。父親の理解ある対応は母親にとってもこれ以上ないくらいの救いとなるのです。お子さんが不登校になった時、母親はどうしても「私の育て方が悪かったのかな。。。」「私のせいでこうなってしまったのでは。。」と責任を感じて孤立してしまいがちになるものです。場合によっては、祖父母や学校の先生から責められたり、世間の冷たい視線を浴びることもあるでしょう。
そんなお子さんと母親を支えてあげられるのは父親しかいないのです。父親が不登校をどのように解釈するかによってお子さんはもちろんのこと母親にも大きな影響を与え、不登校が家族にとって不幸な出来事となるのか、大切な気付きを得られた幸福な出来事となるかが大きく変わってくるのです。
親として不登校に直面した時、自らの常識や固定観念を持ち出しては問題の本質は見えてきません。今までの経験論は通用しないのです。
それではどうするのか?
自分が変わるしかありません。物事の見方を変えるしかないのです。
自分中心ではなく、子ども中心へ。
自分が思う幸せが本当に子どもにとっての幸せのなのか?
自分の人生と子どもの人生は違います。
子どもは親の所有物ではないのです。
自分の中にある常識や執着、固定観念を手放して子どもを中心に考えられるようになった時、大きな気付きがあることでしょう。問題の本質が見えてくるでしょう。
すると、学校に行くとか行かないとか良い意味でどうでもよくなってくるのです。
まとめ
子どもが「学校に行きたくない」と言い出した時、どうしたらいいのか?今日はその際の対処法について考えてみました。
我が子のことを愛するが故に心配や不安、怒り、悲しみなどの感情が入り混じって混乱することでしょう。夫婦の意見がぶつかって家庭崩壊の危機が訪れるかもしれません。
この時、親としての度量が試されていると思って下さい。
夫婦がお互いの意見や価値観などをぶつけ合っていたら話は収拾がつかなくなってしまいます。事態は悪化する一方でしょう。
そうではなくて、お子さんを中心に考えて下さい。お子さんをよく見て下さい。
答えはお子さんの中にしかありません。
子どもが「学校に行きたくない」と言い出した時、どの子にも通用する処方箋のような対処法など無いのです。対応の仕方はケースバイケースで、一概には言えないもの。
ただ一つ、夫婦がお互いに執着やエゴを手放してお子さんを中心に考えることが出来たならば「今どうすべきか?」その答えは自ずと見えてくるでしょう。
本日も最後までお読み頂き有難うございました。
もし、お子さんの不登校などでお悩みでしたら「お問い合わせ」の欄からご連絡下さい。
私でよろしければ真摯に対応させて頂きます。
体験型フリースクールみんなのおうち
代表 中西紀説