通常、経営的決断というのは
頭でするものです。
市場環境や需要の変化、
費用対効果に収支のバランスなどを考慮して
冷静沈着で的確な判断が求められます。
私も今回、
新たな事業を始めるに当たって
大きな決断を迫られました。
全く未知の分野である教育関連事業への参入。
なるべくローリスクで始めたいものです。
よって、
当初は「放課後等デイサービス」を
開業するつもりでした。
放デイの認可を受けることが出来れば
国保連からの給付金が入りますので
安定的経営が見込めるのです。
そこで
放デイの開業に向けて
準備を進めることにしました。
給付金を受けての事業ということで
要資格者などの人的要件や
建物に関する要件など
必要事項が多岐に亘っています。
また、
個別支援計画の作成など
事務処理も煩雑なようです。
そんな中で
一番ネックになったのは、
放デイはその名の通り
放課後での活動を対象としており、
日中での活動は「日中一時支援」という
別の形態を取らなければならないことでした。
これは
私にとって大きな障壁となりました。
さらに、
放デイのサービスは
あくまでも学校に行けている子を前提としており
不登校児の場合には利用制限もあるようです。
このままでは
私が本当にやりたいと想うことが出来ません。
ここで再度、
初心に戻ってじっくり考えてみました。
私は何がしたいのか?
本当にやりたいことは何なのか?
最も優先すべき事項とは何か?
自分の心に訊ねてみたのです。
私は平日の昼間、
学校に行けずに苦しんでいるお子さんと
その親御さんに救いの手を差し伸べたい。
かつての我が子のように
悶々とした思いを抱えながら
自分を責め続けている子供達の
お役に立ちたいのです。
これで決まりました。
今までのプランから大きく方向転換して、
何の縛りもなく
自分のやりたい事をやりたいようにやれる
フリースクールという形態に切り換えたのです。
現在の日本では、
フリースクールに対する給付金制度というのは
存在しません。
そのため経営状況としては
かなり厳しいものとなりそうです。
ハッキリ言って採算的には厳しいですが
そこに敢えて飛び込んでみようと想います。
最終目標はあくまでも
「日本にない学校」を創ること。
そのためには実績と経験が必要です。
私の想いを形にして、
私の想いを知ってもらわなければ
何も始まらないのです。
そのためのフリースクールですから、
私の想いを最優先することにしました。
もちろん
不採算のまま終わらせるつもりは有りません。
まずは喜ばれること。
困っている子のために
自分がやれるだけのことをやってみること。
その先にあるものを見据えてのことです。
今回は自分の本心に従って、
自分のやりたい事を
思い切りやってみることにしました。
経営的決断は頭でするもの。
でも、時として
心でする決断があっても
良いのではないでしょうか。
今日も豊かな心で、豊かな一日を。
中西紀二