山梨県南アルプス市にて、体験型フリースクール「みんなのおうち」を運営しています!

学びの多様化学校について

こんにちは!
中西紀説(なかにしのりつぐ)と申します。どうぞ「のんちゃん」と呼んで下さい!

私は山梨県南アルプス市で不登校児の居場所として体験型フリースクール「みんなのおうち」を運営しています。

私自身、中学生の時に不登校を経験しました。その時に負った劣等感・無能感・自己否定感がトラウマとなって40歳まで苦しみ続けました。一時は引きこもりとなり、自殺未遂を図ったこともあります。父親となってからは我が子も不登校となりました。フリースクールを始めてからは沢山の子ども達と関わってきました。

そんな人生を通して得た大切な気付きや想いを綴ります。

皆さんは「学びの多様化学校」をご存知でしょうか?
学びの多様化学校とは、不登校児童生徒の実態に配慮して、特色ある教科を新設したり、総授業時間数を削減したりするなど、特別の教育課程を編成して教育を実施している学校のことです。学校教育法に基づいて文部科学大臣が指定するもので、一般の小中学校や高等学校と同様に卒業資格を得ることができます。令和6年4月時点で全国の16都道府県(12都県、7政令市)に35校が設置されており、公立校が21、私立校が14となっています。学校種別は小学校4校、中学校22校、高等学校6校、義務教育校(小中一貫校)3校です。設置形態は、①学校型(独立して設置されるタイプ)、②分教室型(一部の学級のみ学びの多様化学校として指定されたタイプ)、③分校型(母体となる本校と分離して設置されるタイプ)、ならびに④高校でのコース指定型に分けられます。政令市など都市部を中心に新しい学校の開設はハードルが高く、35校のうち13校は分教室型で設置されています。もともとは不登校特例校と呼ばれていましたが、2023年8月31日に名称が変更されました。端的に言うと、不登校児童生徒の実態に配慮した教育を実施している学校なのです。児童生徒が学びたいと思った時に多様な学びに出会えることや、個々のニーズに応じた受け皿となることが求められていることから、学校によって様々な特色があります。
例えば、
・年間の授業時間数は、学習指導要領にとらわれることなく通常より少ない
・朝の時間や放課後のゆとりを考え、午前2時間・午後2時間を基本とする
・音楽、美術、技術、家庭を統合したクリエイティブな授業を設置
・クラス担任を2人とし、男女を組み合わせる
・登校が必須ではなく、学校内の別の場所や家庭からのリモート参加もOK
・給食はなし、お弁当は学校内のどこで食べてもよい
・体験型学習の実施  など

文部科学省によると、小中高を含め2027年までに全都道府県への設置、将来的には300校の設置を目指しているそうです。入学対象となる児童生徒についても、文部科学省によって不登校状態である児童生徒および不登校傾向が見られる児童生徒とされており、以下のように定められています。
・児童生徒が不登校かどうかの基準は、年間30日以上の欠席をしているかどうかが判断基準のひとつとなる
・不登校がどうかは、各学校または管理機関が行うこと
・不登校児童生徒以外は、学びの多様化学校の対象にならないこと

それでは、学びの多様化学校とフリースクールとでは何が違うのでしょうか?両者は、不登校児童生徒の受け皿となっている点では共通していますが、学びの多様化学校は、現在在籍している学校から転校(編入)できる点が大きく異なります。フリースクールは、法律で認められた学校ではないため、通常は学校に在籍しながらフリースクールに通うことになります。一方、学びの多様化学校は文部科学大臣に指定された学校のため、転校手続きを経たうえで通うことになります。文部科学大臣に指定された学校ということは、学びの多様化学校に通っていれば当然のように「出席扱い」となり、卒業も認められます。一方フリースクールは、必ずしも出席扱いになるとは限りません。令和元年に文部科学省によって「一定の条件を満たす場合には出席扱いにできる」と通知が出されていますが、その判断は各学校や教育委員会に任されているからです。

文部科学省が打ち出している「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策 (COCOLOプラン)」では、不登校により学びにアクセスできない子どもたちをゼロにすることを目指し、次の3つのプランを取りまとめています。
COCOLOプラン
1.不登校児童生徒全員が、学びたいと思ったときに学べる環境を整える
2.心の小さなSOSを見逃さない
3.学校の風土の「見える化」通して、学校を「みんなが安心して学べる」場所にする

このプランを実現するためには、行政が学校を支援したり、NPOやフリースクール等と行政が連携したり、学びの多様化学校とフリースクールの間で人事交流等を行ったりするなど、関係者がお互いに協力しながら児童生徒一人ひとりの状況に応じた支援策を講じることが必要となってきます。つまり、学びの多様化学校というハード面を充実させるだけではなく、官民連携というソフト面の充実が必須となってくるのです。文部科学省の意向を受け、学びの多様化学校は今年度に新たに11校が設置され全国的に増加傾向にあります。不登校児童生徒の選択肢が増えるという意味で、望ましいと言えるでしょう。山梨県にも設置の動きがあると耳にしますが、目標である『学びにアクセスできない子どもたちをゼロにする』を実現するにも、行政だけでなく、学校、地域社会、各家庭、NPO団体、フリースクール関係者等などが連携をしながら多角的な視点から取り組みを進めることが大切ではないでしょうか。子どもの学びの継続と将来のために、官民一体となった不登校対策の推進を期待しています。

参考:文部科学省 学びの多様化学校の設置に向けて【手引き】

本日も最後までお読み頂き有難うございました。
もし、お子さんの不登校などでお悩みでしたら「お問い合わせ」の欄からご連絡下さい。
私でよろしければ真摯に対応させて頂きます。

体験型フリースクールみんなのおうち

代表 中西紀説

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です