山梨県南アルプス市にて、体験型フリースクール「みんなのおうち」を運営しています!

何故みんなのおうちを無償化するのか?

こんにちは!
中西紀説(なかにしのりつぐ)と申します。どうぞ「のんちゃん」と呼んで下さい!

私は山梨県南アルプス市で不登校児の居場所として体験型フリースクール「みんなのおうち」を運営しています。

私自身、中学生の時に不登校を経験しました。その時に負った劣等感・無能感・自己否定感がトラウマとなって40歳まで苦しみ続けました。一時は引きこもりとなり、自殺未遂を図ったこともあります。父親となってからは我が子も不登校となりました。フリースクールを始めてからは沢山の子ども達と関わってきました。

そんな人生を通して得た大切な気付きや想いを綴ります。

以前のコラムにも書きましたし、SNSでの告知やメディアの報道によってご存知の方も少なくないと思いますが、みんなのおうちは4月から完全無償化されます!週30時間稼働している民間のフリースクールが無償化されるのは全国的に見ても前例のないケースだと言えるでしょう。それでは何故、無償化するのか?今日はその経緯について綴りたいと思います。

そもそも、私はフリースクールをやるために福岡から山梨に来たのではありません。フリースクールはあくまでも手段であって目的ではないのです。私は道を創るために山梨に来ました。現状、子どもが大人になるための道は公教育という一本しかありません。それ故に、この道を通れない・通らない約49万人もの子ども達とその保護者は先の見えない不安に駆られることになってしまうのですが、ここで疑問が生じます。「何故道が一本しかないのだろう?」と。もう一本の道があって、どちらを通っても良いとなればどれだけの子ども達が救われることでしょう。大人になるための道が一本しかない方がおかしいのではないか。そう感じた私は、もう一本の道を創るために山梨に来たのです。

それから4年が経って、気が付いたことが2つあります。
1つは、もう一本の道でも子ども達は充分に成長出来るということ。そのことは、みんなのおうちに通う子ども達が証明してくれました。彼らの変化・成長を見ているうちに、学校とは別の道でも大丈夫だと確信出来るようになりました。
もう1つは、このままでは道を創ることは出来ないということです。何故なら、対象者が限定されてしまうから。要するに高額な月謝を払えるご家庭のお子さんしか対象になっていないのです。「みんなのおうちに通わせたいけど学費が払えない」といった声を聞く度に、やるせない気持ちになりました。このまま何年続けていても道は完成しない。自分は何のために山梨に来たのだろう。そんな葛藤の日々が続いていたのです。

そんな折、認定NPO法人フリースペースたまりば理事長で、川崎市子ども夢パーク・フリースペースえんなどの事業総合アドバイザーを務められている西野博之さんの講演を聴く機会がありました。西野さんは不登校児童や引きこもりの若者に対する支援を38年も続けられている日本のトップランナーです。その講演の中で、利用料の話が出ました。西野さんも若かりし頃、自分で居場所を運営していた際に同じように利用料の件で葛藤されたそうです。通いたいけど通えない子がいる。その現状に憤りを感じた西野さんは、居場所の無償化を決断。自らもボランティアとなり、早朝の市場で働くことで生計を立てていたそうです。その話を聴いた時に、西野さんがトップランナーたる所以がよく分かりました。覚悟が違うのです。人生の差は覚悟の差。そう信じている私にとって、全てが腑に落ちました。そして、心の底から想ったのです。西野さんに続きたいと。

かくして、みんなのおうちの無償化を決断したのです。私がフリースクールをやる目的は、道を創ること。それは社会を変えることを意味します。公教育とフリースクールとをほぼ同条件で選べるようにして、子ども達が学びの場を選べる環境を整えてあげたい。すべての子ども達に学びの機会が確保される状態にすることで、まずはみんなのおうちから、そして山梨から社会を変えていきたいと思っています。

無償化を公表してからというもの「一体どんな後ろ盾があるのですか?」「どんな仕組みを使ったのですか?」とよく聞かれます。ここで明言しておきますが、後ろ盾や保証は一切ありません!全てはこれからです。これまでフリースクールの運営と言えば、保護者の方からの利用料や補助金に頼るのが一般的でした。この形態で運営を続けていても道は出来ないし、社会は変わらないのです。不登校はまだまだ誤解されています。当事者と非当事者の間には大きな障壁があって、非当事者に対する理解を進めないことには事態は改善されないでしょう。だから私は、非当事者の方に現状を訴え、私達の活動や不登校の実態を知って頂き、共感の輪を広げていきたい。そして、共感された方々から支援を募ることで無償化しても運営出来るモデルを確立させたいのです。道を創る、社会を変えるとはそういうことだと想っています。先日も700万円の補助金の話を頂きましたが、丁重にお断りしました。みんなのおうちだけ良くなっても意味がない。無償化モデルを確立し、そのノウハウをシェアすることで無償のフリースクールが増えてほしい。そうやって道が創られ、社会が変わっていくのではないでしょうか。

企業スポンサーを募るためのプレゼン資料も作成しました。この資料を持って最低100社はまわるつもりです。個人を対象とした寄付の仕組みも整えています。近々公表しますので、よろしければご支援をお願いします。

子ども達が学びの場を選べる環境を整え、すべての子ども達に学びの機会が確保される社会が実現すること。これこそが真の不登校対策であると信じています!

本日も最後までお読み頂き有難うございました。
もし、お子さんの不登校などでお悩みでしたら「お問い合わせ」の欄からご連絡下さい。
私でよろしければ真摯に対応させて頂きます。

体験型フリースクールみんなのおうち

代表 中西紀説

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