こんにちは!
中西紀説(なかにしのりつぐ)と申します。どうぞ「のんちゃん」と呼んで下さい!
私は山梨県南アルプス市で不登校児の居場所として体験型フリースクール「みんなのおうち」を運営しています。
私自身、中学生の時に不登校を経験しました。その頃に負った劣等感・無能感・自己否定感がトラウマとなって40歳まで苦しみ続けました。一時は引きこもりとなり、自殺未遂を図ったこともあります。父親となってからは我が子も不登校となりました。フリースクールを始めてからは沢山の子ども達と関わってきました。
そんな人生を通して得た大切な気付きや想いを綴るブログです。
私達みんなのおうちは、子ども達の「生きる力」を育み、幸せに生きられることを目的としています。幸せな人生のためには、知識や学歴などよりも「生きる力」が必要だと実感しているからです。
それでは、「生きる力」とは何なのでしょうか?
そこには様々な要素がありますが、最も大事なのは自己肯定感だと思います。自己肯定感とは、ありのままの自分を受け入れ、肯定できる感覚のことを言います。他者と比較するのではなく、そのままの自分を認め、尊重し、自己価値を感じることができる心の状態。要するに「自分は自分のままでいい」と自己受容できることです。この自己肯定感こそが意欲の源泉。自己実現に向かう力・創造力・コミュニケーション能力・継続力・好奇心・決断力・やる気・行動力といった非認知能力と呼ばれる力も全て自己肯定感をベースに育まれるものなのです。
これは私自身の人生を通して実感したことでもあります。中学3年生の時に不登校となり、その時に負った劣等感・無能感・自己否定感というトラウマに40歳まで苦しみ続けたのですが、自己否定感があると意欲が湧いてこないんですね。自分がイヤで、大嫌いで、自分のことを恥じていましたから、人生に夢も希望も持てませんでした。結婚して、子どもが生まれ、幸せな環境にいるはずなのに幸せを感じることが出来ない。何をしても楽しくない。そんな日々を過ごしてきたからこそ、自己肯定感が幸せな人生のために最も大事な要素であると痛感しています。だから、子ども達には自己肯定感を育んであげたいのです。
それでは子ども達の自己肯定感を育むためにはどうすればいいのでしょうか?
それは、あるがままの自分をさらけ出せる環境に身を置くこと。良い子を演じなくていいし、感情を抑え込まなくてもいい。自分を思いっきり出せる環境。頭に来たら怒り、悲しい時は泣き、楽しい時は大いに笑う。言いたいことを言っても善悪でジャッジされない。あるがままの自分を出しても、丸ごと受け止めてもらえる環境。つまり、心から安心して過ごせる環境ということです。そんな環境に身を置くうちに、少しずつ自分を許し、自分を認めることが出来るようになってきて、自己肯定感が育まれていくのです。そのことは、みんなのおうちを開校してからの2年半で子ども達自身が証明してくれています。
例えば「自立」というのも、幸せな人生のために必要な要素の一つと言えるでしょう。ただし、世間一般的な解釈として「自立」というのは経済的意味に偏り過ぎていると感じています。仮に経済的な自立が出来ていたとしても、精神的自立が出来ていなければ本当に自立しているとは言えないでしょう。私は、本当の意味での自立とは「助けて」が言えること。他者を頼ることが出来ることではないかと思います。全て自分で抱え込むのではなく、得意分野と不得意分野を自認した上で、困ったことや出来ないことは他者に助けを求められる。自分には出来ることもあれば出来ないこともある。不完全な自分をあるがままに認められてこそ自立と言えるのではないでしょうか。そう考えると、自立のためにも自己肯定感が不可欠であるということになります。
ちなみに、日本人は諸外国と比べて自己肯定感が極めて低いというデータがあります。内閣府が2013年に実施した『我が国と諸外国の若者の意識に関する調査』によると、「自分自身に満足している」と回答した割合は、アメリカ86.0%、イギリス83.1%、フランス82.7%、ドイツ80.9%、スウェーデン74.4%、韓国71.5%であるのに対し、日本は45.8%。「私は価値のある人間だと思う」と回答した割合は、アメリカ83.8%、韓国83.7%、中国80.2%であるのに対し、日本は44.9%。「自分には長所がある」と回答した割合は、アメリカ93.1%、ドイツ92.3%、フランス91.4%、イギリス89.6%、韓国75.0%、スウェーデン73.5%であるのに対し、日本は68.9%となっています。このように自己肯定感が極めて低い日本人。今、このブログを読まれている方の中にも自己肯定感を育めないまま大人になってしまったという方もいらっしゃるでことでしょう。
それではこの場合にはどうすればいいのか?かつての私のように自己肯定感を育めないまま大人になってしまった場合にはどうしたらいいのでしょう?
それは、ありのままの自分を受け入れることから始めるしかありません。自分の欠点も、劣等感も、忘れたい過去も、全て自分に必要な要素であると認めてしまうのです。完璧な人間などいません。誰だって欠点もあれば劣等感やトラウマを抱えているもの。全てを引っくるめて自分なのです。劣等感・無能感・自己否定感というトラウマに苦しみ続けた私は、40歳の時に気付きました。全部自分で決めつけていたことに。自分がダメな人間で、低能で、何の価値もない存在だと決めつけ、自分を閉じ込めていたのは他でもない自分自身だったのです。自分が他人にはなれないように、誰も私にはなれない。キムタクだって私にはなれない。自分は唯一無二の存在なのです。ならば、そんな自分で生きていくしかない。今ある自分を最大限活かして生きていくしかないと気付いてから、少しずつ自分を許し、認めることが出来るようになってきたのです。おかげで今は、自分自身に大満足していますし、自分には大いに価値があると思っていますし、自分には沢山長所があると思っています。
幸せな人生のために最も大事なのは自己肯定感を育むこと。「自分は自分のままでいい」と自己受容出来た時から、本当の人生が始まる。これは私の実体験から得た人生哲学なのです。
本日も最後までお読み頂き有難うございました。
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体験型フリースクール「みんなのおうち」
代表 中西紀説