こんにちは!
中西紀説(なかにしのりつぐ)と申します。どうぞ「のんちゃん」と呼んで下さい!
私は山梨県南アルプス市で不登校児の居場所として体験型フリースクール「みんなのおうち」を運営しています。
私自身、中学生の時に不登校を経験しました。父親となってからは我が子も不登校となりました。フリースクールを始めてからは沢山の子供達と関わってきました。
そんな私の実体験からくる想いを綴っています。
不登校とは?
現在、社会問題ともなっている不登校。
少子高齢化により児童総数は減っているにも関わらず、不登校児童数とその割合は増加の一途を辿っています。
まずは不登校とはどのような状態を指すのか?
その定義と現状から見ていきましょう。
不登校の定義
不登校の定義については文部科学省によって明確に定められています。
つまり、
年間の欠席日数が30日以上になると不登校となるのです。
以前は「年間50日以上」となっていましたが、平成10年度から「30日以上」に引き下げられています。
不登校の現状
2022年10月27日に文部科学省が公表した「令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」によると、全国の小中学校で2021年度に学校を30日以上欠席した不登校の児童生徒数は
前年度から48,813人(24.9%)増の244,940人となり、過去最多を記録しています。
不登校の増加は9年連続で、10年前と比べると小学生は3.6倍、中学生は1.7倍増となっています。
私が10代だった1991年と比べると実に5倍以上となっています。
不登校傾向にある子はさらにその3倍?
上記の数字はあくまでも文部科学省の「定義」に該当する子供達の数となっています。
定義上、不登校にカウントされなくても不登校傾向にある子供達は不登校にカウントされている子供達の3倍以上もいると言われています。
不登校傾向とは、保健室や図書館などで過ごす教室外登校、体育や図工、音楽など興味のある授業や給食など一部の活動にだけ参加する部分登校、基本的には教室でみんなと同じように過ごしてはいるが学校が辛いと感じていたり、嫌々通っている潜在的不登校をいいます。
不登校の原因とは何か?
それでは何故こんなにも不登校が増えているのか?
その原因について考えてみます。
不登校の原因について
まず、2021年に文部科学省が公表したデータによると不登校の主な原因として以下の項目が挙げられています。
- 無気力・不安(46.9%)
- 生活リズムの乱れ・あそび・非行(12.0%)
- いじめを除く友人関係をめぐる問題(10.6%)
- 親子の関わり方(8.9%)
- 学業の不振(5.4%)
参考:「令和2年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」
https://www.mext.go.jp/content/20211007-mxt_jidou01-100002753_1.pdf
一方、2015年に不登校生徒に関する追跡調査研究会が公表したデータによると、不登校当事者が挙げる不登校の主な原因として以下の項目が挙げられています。
- 友人との関係(52.9%)
- 勉強がわからない(31.2%)
- 先生との関係(26.2%)
- 部活動での人間関係(22.8%)
参考:「平成18年度 不登校生徒に関する追跡調査報告書」
上記のデータにある通り、
不登校の原因については学校と当事者との間に認識のズレが生じているのです。
不登校の原因は一つではない!
このように不登校の原因としては、
①個人的要因
発達障がいやグレーゾーン、HSPなどの感覚過敏、起立性調節障がいなど本人の特性によるもの
②環境的要因
親子関係や先生、友人との関係など家庭や学校などによるもの
③社会的要因
コロナの影響や時代背景など
の3つに分けることが出来るのですが、不登校となる場合、このどれか一つが原因となるよりも、いくつかの要因が複雑に絡み合っていることが多いのです。
子どもが学校に行きたくないと言い出した時、親御さんは晴天の霹靂のように感じるかもしれませんが、実は子どもにとっては何らかの要因が長い間積み重なっていて、その結果が不登校という形で表出するケースが多いのです。
例えば、友人との関係がうまくいかず学校に行きたくないのであれば、それは②の環境的要因が原因と言えますが、実はその根底にあるのは本人の特性(①個人的要因)かもしれません。
このように、不登校の原因は様々な要因が複雑に絡み合っている場合がほとんどですのでその原因を特定しようとすることにはあまり意味がないのです。
不登校はその子のせいではない!
不登校が社会問題化している現在、不登校は誰がなってもおかしくないと言えます。
クラスの中心的人物として快活に過ごしているように見えていた子が、ある日を境に不登校になってしまうという事例も少なくありません。
このような状況下では、もはや不登校は決してその子のせいではありません。
複雑に絡み合った要因について本人も無自覚であることが多く、そのような場合には自分の気持ちをうまく言語化するのも難しいものです。
「何故学校に行けないのか?」「学校に行きたく理由は何なのか?」と本人に追及したり、「学校に行けないのは育て方が悪かったのかも。。」「みんな学校に行けてるのに何故うちの子だけ。。」「先生のせい?あの子のせい?それとも?。。」と原因を特定しようとするよりも、子ども本人からのSOSと受け止めて本人の意思を尊重してあげることが大事なのではないかと想います。
まとめ
今回は不登校の定義とその原因について考えてみました。
不登校の原因については様々なことが言われていますが、その原因は複雑であり、明確に特定するのが困難です。
不登校は特別なことではなく、誰にでも起こり得ること。
問題なのは、不登校ではなく不登校となることで心にトラウマを抱えてしまうことなのです。
私自身がそうでした。中学3年生の時の不登校経験がトラウマとなり、40歳になるまで劣等感や自己否定感、無力感に苦しめられました。
私のようにならないためにも、学校に行きたくないというという言葉は子どもからのSOSであると捉え、まずはその気持ちに寄り添ってあげることが大事なのではないかと想います。
本日も最後までお読み頂き有難うございました。
もし、お子さんの不登校などでお悩みでしたら「お問い合わせ」の欄からご連絡下さい。
私でよろしければ真摯に対応させて頂きます。
体験型フリースクールみんなのおうち
代表 中西紀説