山梨県南アルプス市にて、体験型フリースクール「みんなのおうち」を運営しています!

魂の授業 第32回「自分だけのオリジナルな人生をつくろう!」

こんにちは!
中西紀説(なかにしのりつぐ)と申します。どうぞ「のんちゃん」と呼んで下さい!

私は山梨県南アルプス市で不登校児の居場所として体験型フリースクール「みんなのおうち」を運営しています。

私自身、中学生の時に不登校を経験しました。その時に負った劣等感・無能感・自己否定感がトラウマとなって42歳まで苦しみ続けました。一時は引きこもりとなり、自殺未遂を図ったこともあります。父親となってからは我が子も不登校となりました。フリースクールを始めてからは沢山の子ども達と関わってきました。

そんな人生を通して得た大切な気付きや想いを綴ります。

昨日は毎月恒例の「魂の授業」を開催しました!
この授業は、子ども達に生きていく上で本当に大切なことを伝えたい。そして『生きる力』を身につけてほしい。そんな想いで始めました。学校では決して学ぶことの出来ない、心豊かに生きるために必要な智慧。それは私がこれまでの人生を通して実感したことがベースとなっています。「授業」と謳っていますが、先生と生徒という主従関係もなければ、大人と子どもという上下関係もありません。あるのは、人間対人間という対等な関係のみ。一人の人間が本気で伝えたいことを語り、一人の人間として本気でそれを聴く。考えなくていい。理解しようとしなくていい。感じてほしい。お互いの心と心が共鳴し合い、魂が震えるような時間にしたいとの想いから「魂の授業」と名付けたのです。

32回目となる今回のテーマは「自分だけのオリジナルな人生をつくろう!」
私の次男は今年18歳になります。そんな彼は、先日高校の入学式を迎えました。18歳で高校1年生。それには以下のような経緯があったのです。

小学2年生から中学2年生まで不登校だった彼は、それはそれは大変なところを通ってきました。全く出口の見えない闇の中にいるような7年間でした。小学校高学年の頃には、学校に行けない自分を責め、自己否定感から毎晩のように荒れ狂う日々。そんな彼のために環境を変えようと、私達家族は福岡から山梨へ移住してきたのです。

次男にとって転機となったのは高校進学でした。山梨県に唯一の高等支援学校である「桃花台学園」への進学を希望し、そこに向けての準備を始めたのです。とは言え、桃花台学園は家からも遠く、通学の条件は厳しいものでした。中学の先生からは反対もされました。そんな中、彼はオープンスクールや学校説明会に行く中で「どうしても桃花台学園に行きたい!」と最終的には自分で決めたのです。そうして桃花台学園に進んでからの彼は別人のように変わりました。生き生きと輝き出したのです。沢山の友達が出来て、とにかく毎日が楽しそう。サッカー部に入部して、学級委員を務め、生徒会役員にも立候補。キックボクシングのジムにも通い始め、アマチュアの大会に出るようにもなりました。朝は5:30に起床して、学校に行き、部活の後にジム通い。帰宅は22時を過ぎることも。側からは大変な生活のように見えても、本人は至って楽しんでいる様子です。そんな彼の姿から、私は教えられたのでした。

幸せな人生とは、自己決定できる人生であると。
周りの人がどうしてるかとか、世間体や一般常識なんかは一切関係ない。大切なのは自分で決めること。自分で決めたら人は生き生きして、苦労を苦労と感じなくなる。そして人生が輝き出すのです。かつては長い長いトンネルの中でもがき苦しんでいただけに、別人のように変わった次男の姿をただただ有難い思いで見つめていました。

そんな彼から思いがけない相談を受けたのは、昨年の秋のこと。なんと「学校を辞めたい」と言い出したのです。「こんなに楽しそうなのに、何で!?」と驚いた私が理由を尋ねてみると「高等支援学校を卒業しても、高卒にはならない。将来のことを考えると高校に行っていた方が選択肢が広がる。だから、桃花台を辞めて普通高校に行きたい。」とのことでした。若さゆえに勢いで言っているところがあるかもしれないと思った私は、一週間考えてみるように伝えてその場は終わったのですが、それから10日が経った頃、ある通信制高校のパンフレットを手にした次男から「学校説明会を予約したから一緒に来てほしい」旨を告げられたのです。説明会に同行してみると、衝撃の事実が判明しました。それは、高等支援学校は高校ではないから、転校や編入は出来ないということ。つまり、1年生からやり直しとなるのです。これは、次男にとってかなり厳しい条件だと感じました。おそらく、彼は桃花台に留まる選択をするだろうと思いました。ところが、暫く熟考した結果、次男が出した答えは桃花台を辞めるということだったのです。

この選択には我が子ながら驚きました。人は今が楽しければ、その環境に流されてしまうものです。ところが彼は、居心地の良い今の環境を捨て、新たな環境に挑むことを決めた。しかも、2学年下の子達と一緒になることを承知の上で。この選択ははなかなか出来るものではありません。私はこの選択に共感し、全力でサポートすると決めたのです。そして今回も彼は自己決定しました。自己決定した人は、更に自己決定を続けていき、自分独自の人生を創っていくようになるのですね。こうして迎えた先日の入学式。彼は自信に溢れ、どこか誇らしげな様子ですらありました。彼はトータルで5年間高校生をやることになります。彼にしか出来ないオリジナルな人生づくりが始まりました。そんな次男のことを誇りに思っています。

今回の授業で最も伝えたかったこと。それは、みんな自分だけのオリジナルな人生でいいんだよということ。そのためには、周囲に惑わされたり、常識や世間体に囚われることなく、自分で考え、時に苦悩しながらも自分で決めることが大事なんだ。自己決定したら人生が輝き出すということを覚えていてほしい。

この授業が、子ども達のオリジナルな人生づくりの一助となれば幸いです。

本日も最後までお読み頂き有難うございました。
もし、お子さんの不登校などでお悩みでしたらご連絡下さい。
私でよろしければ真摯に対応させて頂きます。

4月からの無償化に伴い、皆様からの寄付を募っています。寄付で不登校支援活動に参加しませんか?詳細は以下からご確認下さい。

無償化に伴うご支援のお願い

体験型フリースクールみんなのおうち

代表 中西紀説

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