こんにちは!
中西紀説(なかにしのりつぐ)と申します。どうぞ「のんちゃん」と呼んで下さい!
私は山梨県南アルプス市で不登校児の居場所として体験型フリースクール「みんなのおうち」を運営しています。
私自身、中学生の時に不登校を経験しました。その頃に負った劣等感・無能感・自己否定感がトラウマとなって40歳まで苦しみ続けました。一時は引きこもりとなり、自殺未遂を図ったこともあります。父親となってからは我が子も不登校となりました。フリースクールを始めてからは沢山の子ども達と関わってきました。
そんな人生を通して得た大切な気付きや思いを綴るブログです。
この春から高校生となった次男。
先日、体育祭が行われて、その応援に行ってきました。体育祭と言えばこの時期の恒例行事。特に珍しいものではないのですが、この日は次男にとって特別な日だったのです。何故なら、7年間不登校で苦しみ続けた次男にとって初めての体育祭だったからです。
小学2年生の途中から不登校になった次男は、結局、小学校には殆ど通えませんでした。当時は福岡に住んでいて、地元のフリースクールや放デイを試したりしてみたものの、どこにも馴染むことが出来ず、自宅に引きこもる毎日。小学校高学年になると、そんな自分を責め、自己否定感に苛まれて「何で俺を生んだんだ!もう死にたい!殺してくれ!」と荒れるようになってしまいました。自分の存在に価値を見出せない彼は誕生日を祝うことすら許してくれません。主役不在のバースデーケーキを食べる悲しい誕生日が何年も続きました。そんな次男を何とか救ってあげたいとの思いから、新しい環境でゼロからやり直そうと山梨への移住を決意したのです。
そんな渦中にいた2017年5月31日。当時の私のブログにはこう書いていました。
おはようございます。私の次男。小学4年生の彼は不登校になって2年になります。勉強が苦手で「学習障がい(LD)」を抱えているであろう彼は、自分を嫌い、自分を責め、毎日苦しんでいます。午後からはデイサービス施設に通園していますが、学校に行けていない今の状況を自分で認めておらず、自責の日々を繰り返しています。特にこの春から、長男は特別支援学校の中等部へ入学し、三男は幼稚園に入園して、2人とも順調に新生活をスタートさせました。その事が更に彼を追い込んでいるのでしょう。
次男は3人息子の中で一番私に似ています。ですから、私が背負った宿命も彼に影響しているのかもしれません。私は、中学3年の時に不登校を経験しました。その経験が深い傷となり、強烈な劣等感となって、その後の人生に多大なる負の影響を及ぼしたのです。15歳の時に経験したあの辛さが、その後25年に亘って私を苦しめ続けたのです。ですから私には次男の苦しみがよく分かります。当たり前のように誰もが行っているところに行けない惨めさ。有り余るほどの時間はマイナスな思考へと誘導し、ストレスから過食気味となり無様に太った自分が姿が更に自信を喪失させるのです。次男を見ているとかつての私を見ているようで胸が苦しくなります。
彼を救いたい!何とかしてあげたい!出来ることなら代わってあげたい!
そう思いながら彼に言葉をかけます。「誰も君のことを責めてはいないよ」「君は君のままでいいんだよ」「自分を責めなくていいんだよ」「君の辛さはよく分かるよ」「君は今、大切なことを学んでいるんだ」「今の経験が必ず活きる日がくるから」「自分に生まれて良かったと思える日が来るよ」「何も心配しないで、何も考えないで、今日を楽しもう」「一日に一つ楽しいと思えることがあればそれでいいじゃないか」「学校には行かなくていいんだよ」どんな言葉をかけても彼の心が癒されることはありません。まだ小学生であるが故に「お父さん、お母さん、助けて!僕は苦しいよ。どうしたらいいか分からないよ。」という必死のSOSが「何で僕を生んだの?」「生まれてこなければ良かった」「家出したい」「死にたい」といった言葉で表現され、幼い三男に八つ当たりするしかないのです。
次男は今、本当に苦しんでいます。彼を助けたい。どうにかして元気な心を取り戻してあげたい。まだ暗中模索で射し込む光は見えてきませんが、妻と力を合わせて彼にとって最適な道を探したいと思っています。答えは彼の中にしかありません。親としての偏見や先入観はとうに手放しました。彼が本当に「楽しい」と思える道を一緒に探したいと思います。止まない雨はないように、明けない夜はないように、彼の人生も必ず好転の時を迎えるでしょう。その時に彼は知るのです。雨あがりの虹の美しさを。夜明けの空の美しさを。先日、彼が実家の庭に植えた苗が一輪の綺麗な花を咲かせました。この花を見ていると、彼の笑顔が浮かんでくるのです。
山梨に来てからも次男の苦悩は続きました。所属する中学校になかなか馴染むことが出来ず、葛藤の日々。彼の顔から笑顔は消えてしまっていました。
そんな彼に転機が訪れたのは、中学2年生の時。自ら「高校に行きたい!」と言い出した彼は、そこから少しずつ元気を取り戻し学校にも足が向くようになってきました。彼が志望した高校は、山梨県に唯一の高等支援学校。彼にすれば大いなるチャレンジです。学校にも毎日登校し、受験勉強にも主体的に取り組んで、自ら設定した目標を達成するために本当によく頑張っていました。そして今春、見事志望校に合格し晴れて高校生となることが出来たのです。
高校に入ってからの彼は、遂に自分の居場所を見つけたのでしょう。まるで水を得た魚のようです。毎朝5時半に起床して「行ってきます!」と家を出ていきます。クラスでは学級委員を務め、サッカー部に所属。週末になると沢山の友人達が遊びに来ます。すっかり元気を取り戻し、笑顔も増えて、とにかく楽しそうに日々を過ごすことが出来ています。そうして迎えた先日の体育祭。彼は輝いていました。その眩しい笑顔を見ていると涙が溢れてきました。
本当に良かった。。。
7年にも亘る長い長い夜が遂に明けたのです。
彼が学校に復帰出来たことが嬉しいのではありません。そんなことはどうでもいい。彼が彼らしくいられること。何よりも彼本来の笑顔が戻ったことが嬉しいのです。長い長い夜を過ごしてきた分、彼には夜明けの空の美しさがより鮮明に感じられていることでしょう。最近、キックボクシングも始めた彼は楽しく充実した日々を過ごせているようです。
とにかく今は人生を楽しんでほしい。青春を謳歌してほしい。やりたいと思ったことは何でもやってみるといい。今を楽しんでいれば必ず未来は拓けてくるのだから。私は彼のことを信じています。心配するより信じたいと思っています。彼ならきっと自分の道を拓けていけることでしょう。いつだって彼自身の選択を尊重し、私はそれを全力でサポートするだけ。いつも一番身近なところから応援し続ける人生の伴走者でありたい。それが父親の役目ではないかと思っています。
最後に。今、かつての次男のように苦しんでいる子ども達とその保護者の方へ。
止まない雨はないし、明けない夜もない。今は全く出口の見えない暗闇の中にいるような気がしているだろうけど大丈夫。必ず雨は止み、夜明けが来るから。その時にきっと今の意味を知ることでしょう。今は決して無駄ではない。全て人生に必要な時間なのです。人生にはひたすら耐えるしかない時もある。貴方のことを心から応援しています。
本日も最後までお読み頂き有難うございました。
もし、お子さんの不登校などでお悩みでしたら「お問い合わせ」の欄からご連絡下さい。
私でよろしければ真摯に対応させて頂きます。
体験型フリースクール「みんなのおうち」
代表 中西紀説