山梨県南アルプス市にて、体験型フリースクール「みんなのおうち」を運営しています!

子供の目線で。

私が子供達と話をする時に

心掛けていること。

それは

目線の高さを合わせることです。

何故かと言うと、

私自身に

こんな経験があるからです。

私の父は

とにかく言葉が足りない人でした。

本当は優しい人なのに、

言葉足らずで不器用な性格。

自分の想いに正直で、

あらゆる意味で真っすぐな人。

私に対する実直過ぎる愛も、

言葉が足りないために

私にとっては

プレッシャーとなっていたのです。

父に認めてもらいたい一心で、

いつしか私の人生は

「父の期待に応えるためのもの」

となっていました。

そうして色々なものを背負い過ぎていた

中学3年生のある日。

突然全てがいやになった私は、

そこから学校にいけなくなってしまいました。

不登校になって、

家に引きこもっていた状態が続いていた

ある日のこと。

当時、車に興味を持ち始めていた私は

新聞の折込みチラシに入っていた

中古車のチラシを見て、

あるスポーツカーに目が留まったのです。

トヨタの白いセリカXX 2000GT。

当時で価格は65万円でした。

「これはカッコいい!」

そう思った私は、

何となくそのチラシを父に見せて

「俺、免許取ったらこの車を買いたい」

と言いました。

すると、

父から返ってきた言葉は

私が衝撃を受けるほどに

意外なものだったのです。

「初めて買う車だから

 それぐらいが丁度いいだろう。

 カッコいいじゃないか。」

それは、

初めて

父が掛けてくれた優しい言葉でした。

初めて

父に受け入れてもらえた瞬間でした。

初めて

父が私の目線に降りてきてくれた。

初めて

父に肯定された気がして、

初めて

父親の愛を感じた瞬間だったのです。

父としては

当時の私の状態を哀れんで

このような言葉を掛けてくれたのでしょうが、

この時の

父の言葉は本当に嬉しかったです。

今でも

その時の衝撃はよく覚えています。

てっきりいつものように

小馬鹿にされると思っていた私は、

嬉しいような、

拍子抜けしたような、

父と対等に話が出来て

少し大人になったような、

そんな複雑な心境になったものです。

この時に私は知ったのです。

父親の言葉の重みを。

父親が目線を合わせて対等に話す時、

子供は「自己承認」と「愛」を感じるのだと。

ですから私は、

何か話をするときには

子供達の目線の高さまで降りていき

目線を合わせて話をするようにしています。

高圧的に怒鳴っても

何も伝わらない。

子供に何かを伝えたいのであれば、

子供の目線にまで降りて

対等に話をすることが

大事なのではないでしょうか。

今日も豊かな心で、豊かな一日を。

中西紀二

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です