こんにちは!
中西紀説(なかにしのりつぐ)と申します。どうぞ「のんちゃん」と呼んで下さい!
私は山梨県南アルプス市で不登校児の居場所として体験型フリースクール「みんなのおうち」を運営しています。
私自身、中学生の時に不登校を経験しました。父親となってからは我が子も不登校となりました。フリースクールを始めてからは沢山の子ども達と関わってきました。
そんな私の実体験からくる想いを綴っています。
ゲーム依存と昼夜逆転。
不登校児の保護者が必ずと言ってもいいほど直面する2大問題ですね。
今日はこの件について考えてみたいと思います。
ゲーム依存症と昼夜逆転とは?
ゲーム依存症の医学病名は『ゲーム障害』と言います。ゲーム障害は、ゲームに熱中し、利用時間などを自分でコントロール出来なくなり、日常生活に支障が出る病気です。世界保健機構(WHO)が2019年5月に新たな病気として国際疾病分類に追加しました。ゲーム障害の患者数は、はっきりと分かっていませんが、ネット依存が疑われる人の実に90%がゲーム障害であるとも言われています。
- ゲームをする時間などを自分でコントロール出来ない
- ゲーム以外の出来事や関心事の優先度が低くなる
- 日常生活に支障をきたしてもゲームを優先する
- これらの症状が12ヶ月以上続くこと
もし、上記の診断基準を満たす場合には、専門的な支援が必要です。ご家庭で解決しようとせず、最寄りの精神保健福祉センターやネット・ゲーム依存症回復支援センターなどの専門機関にご相談されることをお勧めします。
昼夜逆転とは読んで字の如く、昼と夜が逆転した生活リズムとなってしまうことです。夜通しゲームをやり続け、家族が目を覚ます時間帯になってから寝て、夕方近くになって起きてくる。不登校児にありがちなケースです。私も不登校だった頃は昼夜逆転の生活をしていました。
まだゲーム障害の基準は満たしていないものの、不登校になってから昼夜逆転してゲームばかりしている。「このままではゲーム障害になってしまうのではないか。。」と心配されている保護者の方も少なくないでしょう。それではこのような場合、どのように関わっていけばいいのでしょうか。
不登校にも段階があるのです
不登校は様々な理由によってお子さんの心のエネルギーが低下し続け、ある一定ラインよりも下になった時に生じるものです。そんなお子さんの心のエネルギーの状態によって、不登校も初期・安定期・回復期に分けることが出来ます。
不登校初期
心のエネルギーがある一定ラインよりも下になった状態。学校を休み始めても、暫くは心のエネルギーは下がる一方で底すれすれまで下がっていくことも。この時期の特徴としては、部屋に閉じこもる・口数が減る・家族への暴言・生活のリズムが乱れ昼夜逆転となる・自殺願望や自傷行為が見られる・誰にも会いたがらないなどが挙げられます。この時期がお子さん本人にとっても、保護者の方にとっても最も辛い時期です。
不登校安定期
心のエネルギーの低下が止まる状態。まだまだエネルギーは低いものの、それ以上下がることはなく一定のレベルを維持出来るようになってきます。この時期の特徴としては、家の中で落ち着いている・家族と外出が出来るようになる・生活のリズムが整ってくる・趣味を始めたり、家事を手伝ったりするようになるといったことが挙げられます。この時期がどのくらい続くのか、数ヶ月〜数年とその子によって最も違いが出る時期です。
不登校回復期
少しずつ心のエネルギーが高まってくる状態。次のステップに向けての準備が整ってきます。この時期になると、家にいるのが退屈と言い出したり、暇を訴えかけてきたりします。友達とも遊べるようになってきたり、進路のことを気にするような発言があることも。この時期には、お子さん自身が本当に安心して過ごせる居場所を見つけたいですね。教育支援センター・フリースクール・学校(図書館や保健室などへの教室外登校、一部の活動や授業にだけ参加する部分登校、特別支援学級、特別支援学校などを含む)・放課後デイサービスなど、その子にとって一番適した環境はどこなのか、お子さんと一緒に探してみて下さい。
大事なのは初期の対応です!
上記3段階の中で、最も大事なのは初期の対応です!この時期の対応如何によって、その後の状況が大きく変わってくるのです。昼夜逆転の生活となり、ゲームばかりしているお子さんの様子を見ていると保護者として心配になってくるでしょう。
それではこの時期、お子さんのゲーム依存と昼夜逆転の生活をどうしたらいいのか?
そっとしてあげて下さい。そのままの状態を見守ってあげて下さい。
この時期のお子さんに必要なのは保護者の方からの無償の愛なのです。
あなたはあなたのままでいい。
あなたはそのままでいい。
どんなあなたでも愛している。
そんな大きな愛で包み込んであげて下さい。お子さんが好きなゲームに関心を寄せるのもいいと思います。「そんなに楽しいなら、ちょっとやらせてよ」と、親子でゲームを楽しんでみる。心のエネルギーの低下を止めるには、そうやってお子さんの心に寄り添うことが何よりも大事なのです。いくら心配だからといって、ゲームを取り上げたり、布団を剥ぐって無理矢理に起こそうとするのはNG!そのようなことをしてしまうと、信頼関係が失われ、お子さんとの関係性が閉ざされてしまい、余計に問題がこじれてしまうだけです。上述の通り、安定期や回復期に入ってくれば自ずと生活リズムも整い、ゲーム依存も解消されてきます。そのために必要なのが、一旦全てを受け入れることなのです。これは私自身の不登校経験と、不登校児の父親として失敗から学んだ教訓です。不登校の初期段階から、安定期を経て回復期に至るためには、まず保護者の無償の愛が必要なのです。
まとめ
今日はゲーム依存と昼夜逆転についての対処法について考えてみました。大丈夫です。ゲーム障害となって一生ゲームだけをやり続けることにはなりませんし、一生昼夜逆転の生活のままということもありません。今起きている事象の表面だけを見るのではなく、その根本の部分に目を向けて下さい。お子さんは傷つき、心のエネルギーが底すれすれまで低下している状態です。そんな自分を保つには、今はゲームしかないのです。ゲームだけが拠り所なのです。みんな学校に行っている昼間の時間帯は後ろめたくて肩身が狭いのです。みんなが寝静まった夜中だけが、安心して過ごせる時間なのです。昼夜逆転になってしまうのにも理由があるんですよね。そんなお子さんのあるがまま全てを無償の愛で包み込んであげること。ゲーム依存と昼夜逆転に対して、保護者として出来る一番の対処法はこれに尽きると想います。
本日も最後までお読み頂き有難うございました。
もし、お子さんの不登校などでお悩みでしたら「お問い合わせ」の欄からご連絡下さい。
私でよろしければ真摯に対応させて頂きます。
体験型フリースクールみんなのおうち
代表 中西紀説