こんにちは!
中西紀説(なかにしのりつぐ)と申します。どうぞ「のんちゃん」と呼んで下さい!
私は山梨県南アルプス市で不登校児の居場所として体験型フリースクール「みんなのおうち」を運営しています。
私自身、中学生の時に不登校を経験しました。その頃に負った劣等感・無能感・自己否定感がトラウマとなって40歳まで苦しみ続けました。一時は引きこもりとなり、自殺未遂を図ったこともあります。父親となってからは我が子も不登校となりました。フリースクールを始めてからは沢山の子ども達と関わってきました。
そんな人生を通して得た大切な気付きや想いを綴るブログです。
「子どもをわがままに育ててはいけない!」「小さい頃からの躾が大事である」「獅子は我が子を千尋の谷に落とし、這い上がってきた子のみを育てる」といった思いから子どもに厳しく接する。それも大切なことでしょう。子育てには厳しさが必要な場面があるのは事実です。
しかし、この時、「甘え」と「甘やかし」の区別が出来ていなければその厳しさが仇(あだ)となり、親子の信頼関係を損ねる要因ともなりかねません。そこで今日はこの両者の違いについて考えてみたいと思います。
まず、「甘え」とは子どもの愛情表現です。「◯◯◯して!」「◯◯◯に連れて行って!」「イヤ!」など親に甘えて、親からの愛情を感じたい、親の愛情を確かめたいという気持ちの表れだと言えるでしょう。
一方、「甘やかし」とは親の都合による対応です。子どもが自分で出来ることを先回りしてやってしまったり、子どもの物質的要求に何でもすぐに応えてしまったりと親の都合によるその場しのぎの対応と言えるでしょう。ほしいと言われたものを与えれば、その場はストレスを感じることなく丸くおさまるのでラクなんですね。
つまり、「甘える」のは子どもであり、「甘やかす」のは親なのです。これを一緒くたにして「甘やかして育ててははいけない!」とすると、そこに混乱が生じてしまいます。
甘えとは親子の愛着を形成する上で欠かせない要素です。この甘えを親に受け入れてもらうことで、寂しさや不安が解消され、子どもの心が愛情で満たされながら親との愛着が形成されるだけでなく、「自分は大切にされている」という安心感と自信を得ることが出来るのです。そして意外なことに、しっかり甘えられた子の方がその安心感と自信がベースとなり、自立にも繋がっていくのです。しっかり甘えられた子の方が自立できる。これは憶えておきたいですね。逆に、親に甘えたいのに甘えさせてもらえなかった子はどのように育つのでしょうか?自らの愛情表現が拒否されることで自信を失い、自分は愛される価値のない人間だと思い込んでしまって、生きづらさを抱えるようになってしまいます。また、他者を信じることが出来ず、誰にも心を開けなくなってしまうことで人間関係にも支障を来たし、年齢を重ねるごとに苦労する場面が増えてしまうのです。「甘えるな!」と厳しく育てた方が自立すると思われがちかもしれませんが、これはかえって子どもを萎縮させ、自信を失わせるだけなのですね。
それでは、甘やかされて育った子はどうなってしまうのでしょうか?自分の要求は何でも応えてもらえると認識してしまい、わがままになってしまいます。共感性が乏しく、他人の目線で物事を考えることが困難となったり、思い通りにいかないことがあると攻撃的になったり逃避的行動をとってしまうようになってしまうのです。結果、生きづらさを抱えてしまうことになるでしょう。
このように甘えさせるのは子どもの健全な成長のために必要な要素であるものの、過度な甘やかしは子どもの成長を阻害してしまうのです。では、「甘え」として受け入れる場面と、「甘やかし」てはいけない場面とはどうやって判断すれば良いのでしょうか?その境界が難しいところです。ケースバイケースで一概には言えないものの、一応の目安としては「甘え」とは精神的欲求のことであって、物質的欲求や金銭的欲求は含まれないと言えるでしょう。つまり、「抱っこして」「話を聞いて」「一緒に遊んで」は十分に甘えさせて良い場面であり、「あれ買って、これ買って」は時に甘やかしてはいけない場面となるのです。
諸説ありますが、子どもが親に甘えてくるのは9〜10歳くらいまでと言われています。その間にしっかり甘えられた子ほど自立できるもの。私の三男は今年の12月で10歳になります。そう考えると、彼が甘えてくるのもあと僅かな期間なのかもしれません。私は彼に幸せな人生を生きてほしいと願っています。自信を持って、自分の人生を自己決定出来る力を養ってあげたい。だからこそ、甘やかしには気を付けながら、彼が甘えてこなくなるまでしっかり甘えさせてあげたいと思います。
本日も最後までお読み頂き有難うございました。
もし、お子さんの不登校などでお悩みでしたら「お問い合わせ」の欄からご連絡下さい。
私でよろしければ真摯に対応させて頂きます。
体験型フリースクール「みんなのおうち」
代表 中西紀説